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トロントのイースト・サイド、レスリービル地区の住人たちに、「おすすめのブランチスポットは?」と尋ねると必ずと言っていいほど出てくる名前が『Bonjour
Brioche』。週末は焼きたてのパンの香りにつられて長蛇の列ができる、人気のベーカリーカフェだ。
私が取材に訪れたのは平日の午後2時。本来ならランチが落ち着いて一息つく時間帯だが、この店の客足はひっきりなしだ。店内、パティオ共に満席。テイクアウトの列も絶えることがない。黄色を基調にしたかわいらしい店内に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、バスケットに並ぶフランスパンとフォカチャブレッド。プレーン、チョコレートなど各種のクロワッサンに、色とりどりのブリオッシュ。そして、タルトをはじめとするペイストリー類も種類豊富だ。
平日・休日を問わず一日中ブランチを楽しんで…
『Bonjour Brioche』の人気ナンバーワンのブランチメニューはフレンチ・トースト。「それくらいなら自分で作れる」と思った人、まずはこの店の一品を味わっていただきたい。
皿の上に並べられた2切れのトーストは見た目からボリューム満点。まずは、シロップなしでひと口いただく。しっとりと口の中でとろけるような食感。重厚な味が舌に広がり、程よい甘みが後を追う。パンのミミはカリッと香ばしい。この味と食感の秘訣は、生地にクロワッサンとブリオッシュ、2種類のパンを使用するところにある。ブリオッシュとは、バターと卵をたっぷり使ったお菓子感覚のパン。そのリッチ感がフレンチ・トーストに活かされているのだ。まず、この2種類のパンをぶつ切りにし、クリーム、卵、コーンシロップ、シナモンと混ぜ合わせる。それを巨大フライパンに流し込み、表面に黒砂糖とバターを混ぜ合わせたものを塗る。オーブンに入れて焼くこと40分。表面はカリッと、パウンドケーキを思わせる、どっしりとしたフレンチ・トーストが出来上がる。それを縦にスライスして粉砂糖をふりかけ、メープルシロップと一緒にサーブしているのだ。
人気の秘訣はパンの質とこだわりの食材にあり
オーナーのローリ・フィッソンさんと、フランス・リオン出身でパン職人のご主人、ヘンリさんがこのカフェをオープンしたのは11年前。「フランスの香り。毎日焼きたてのパン。新鮮な食材」がモットーだと言う。店頭に並ぶパンの一つひとつには、職人のこだわりが感じられる。ローリさんは、「中身を見せてあげるわ」とナイフでクロワッサンを半分に切ってくれた。何層にも重なる生地と生地、その間には空気が程よく入っている。これが、ふんわりとしてサクッとした食感を生み出す。また、ブルーベリーカスタード・ブリオッシュは、甘すぎずしっとりとしていて飽きが来ない。店では定番のブランチのほかにも、ローリさんが毎朝仕入れる新鮮な食材を使ったスープ、サラダ、サンドイッチなどのデイリースペシャルも用意している。カジュアルに、フランスの街角でのブランチ気分を味わうにはぴったりのカフェだ。
〈文・写真/長田 真理〉
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