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1950年代半ばのアメリカに突如として現れた『Rock'n'
Roll』。その音楽の影響は海を越えて日本にも達した。しかし、当然ながら定着を見るまでには少し時間が掛かるものだ。それが70年代。ロックの黎明期にその”輸入された“ばかりの音楽にいち早く注目し、海外にまで進出したバンドがあった。73年の活動休止から35年経った昨年末、再始動を始めた『Flower
Travellin' Band(FTB)』だ。
今回は、新アルバム制作のためにトロントを訪れたFTBのメンバーの皆さんにお話を伺った。
本格的な夏を迎えようとしているトロントだが、インタビュー当日はあいにくの小雨模様だった。しかし、そんな天候も気にならないかのようにトロント市庁舎前でビルを見上げながら「(西の方角を指差して)僕達が住んでたのはもっとあっちのほうだったね」と懐かしそうなメンバーの皆さん。
「30年以上も前にカナダの『Lighthouse(ライトハウス)』というバンドと知り合った縁でトロントに来て、その縁つづきでジュンはカナダに家族を持って(ベースのジュンさんはトロント在住)…。再始動しようとした時、やるならまず新しいアルバムを作ってそこからスタートしようということになり、さて、どこでやろうって言った時、トロントしかないだろう! ということですよ」
こう今回のトロント入りの理由を説明してくれた。ボーカルのジョーさんは『里帰り』だと言う。
「第2のふるさとですからね、トロントは」
今回は、トロント近郊のスタジオでレコーディングをする。
「今、いろんなバンドが再編成したりしてますよね。でも、俺らは73年に解散したんではなく、活動停止したんですよね。メンバーがみんな還暦をすぎ、再始動しようというにあたって、今までの34〜35年間の空いていた時間(に蓄えたものを含めた)新しいモノを作って、今度は、その当時生まれてなかった新しいジェネレーションに届けようと思ったんです。
今回1回(ライブをして終わりという)だけって言うわけじゃないから、新しい作品を1枚作って始めようというわけで新アルバムを作ります。古い曲はいつでもできますから。もちろん、ライブではやりますけどね」
FTBは日本で7月末に行われる夏のロックの祭典、『フジ・ロック・フェスティバル』への参加が既に決定している。
「ライブはフジ・ロックでスタートです。野外ライブは独特の開放感があって好きですね。新しい曲は、まさに、笑えるぐらい昔の僕達の独特のバイブレーションが映ってるけど、もっと深みが(増した)というか、発想の面でね。”根“は一緒ですが、別の面白さが出てると思います。だから、面白い届き方をするかな、と思います」
70年代当時に発表された音源を聞くと、30年前にレコーディングされたとは思えないFTB独特のバイブレーションが確かに感じられる。
「音的には、今聞いても音圧もあるし、引けをとらないと思いますよ。それがオリジナリティだと思います。
(人気バンドを)コピーして、追いかけて、追いついたら、それ以上は行くところがないんですよ。自分達で作ったらそういうことからは自由だと思って、それでオリジナルを作り始めた。かなり正直な発想で、素直に出したものが、ああいう作品がだったという感じがしてます」
71年、カナダのローカル・ヒットチャートの8位にランクインした『SATORI』では特に、ジョーさんの高い声が石間さんの奏でるギターとあいまって、アジアンテイストながら無国籍、個性的な音を聴かせてくれる。
(インタビュー/西尾 裕美)
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